昔から、学校のトイレは“汚い・臭い”場所と認識されてきました。毎日必ず使用しているのにも関わらず、敬遠され、清掃もおざなりになりがちです。学校のトイレは“用がたせればいい”というだけの場所になって、どこか近寄りがたい場所になっています。
 現在では、学校のトイレに対する意識も少しずつ変わり、新築や改修工事の際に、臭いが出にくく汚れのつきにくい材質の機器を使用したり、使いやすく明るいデザインの設計がされるようになってきました。  しかしそれは、全国にある学校全体ではまだほんの一部に過ぎません。全国約40,000校のうち、約半分の学校が築30年以上過ぎているといわれます。半数近くの子供たちが30年以上も前に作られた学校のトイレを毎日使っている状況です。家庭や商業施設などのトイレと比べると、学校のトイレがいかに使いづらいままなのかと思い知らされます。また、臭いが酷くトイレ前の教室では授業が出来ない、トイレが臭くて汚いので我慢していたらお腹を壊した生徒がいる、などと信じられない話も耳にしたりします。
 未だに学校のトイレに対して、臭くて汚くなったら壊して新しくすればいい、トイレとは臭いものだ、という認識を持つ人は多いかもしれません。古いから臭く汚いのか?新しいと臭わないのか?もちろんそういう訳ではありません。「新しくしたのに臭いがして困る」という話も耳にします。単純に、トイレを新しくしたら快適になる訳ではありません。古くても清掃の行き届いたトイレは快適な空間です。それは日々の清掃方法によって違ってくるのです。
 トイレ清掃については、各自治体・学校によって随分と差があります。清掃の時間に生徒達で行なう学校、職員が行なう学校、業者に委託して生徒達は殆ど行なわない学校、と様々です。トイレは他の場所と違い、雑菌の温床でもあります。どのような清掃方法であれ、学校のトイレは、使用頻度に対して、あまりにも清掃時間が短いのではないでしょうか?まだまだ清掃の用具・用品の使い方、清掃の仕方も考えなくてはならないのではないのでしょうか?